不眠症(睡眠障害)とは
不眠症とは睡眠時間の長さではなく、目覚めた際のだるさや眠気、日常生活の中で支障をきたしてしまう程の症状になった状態を指します。そのため睡眠時間が短くても平気な方もいます。
近年、不眠症をはじめとする睡眠に関する問題を抱える方が増加傾向にあると言われています。
不眠症は、うつ病など他の疾患の症状として表れている場合がありますので、睡眠薬を調節するだけでなく、原因を考えることも重要です。また、睡眠時無呼吸症が併発している場合もあります。
不眠症の種類
不眠症は、眠れない時間帯を基準として、入眠障害・中途覚醒・熟眠障害・早期覚醒に分けられます。
入眠障害
寝つきが悪く、なかなか眠れないタイプ(30分~1時間以上)で、心配事があったりストレスなどで起こりやすくなります。
ただし一度眠ってしまうと朝まで眠れるタイプで不眠症の中では一番多いタイプです。
中途覚醒
寝ている時に何度も目が覚めてしまうタイプです。
何度も目が覚めてしまうので充分に寝た気がしないため熟睡感がありません。
熟眠障害
十分な睡眠時間を取っていても眠りが浅く、目覚めたときに熟睡感がないタイプです。
高齢者の不眠や神経質な人に多いタイプになります。
早朝覚醒
朝早く目が覚めると、そのまま眠れなくなってしまうタイプです。
うつ病や高齢者に多く見られるタイプです。
不眠症の治療
不眠症の原因により治療法も変わりますが、日常生活を改善することで解消していく方法と、薬物による治療があります。
いずれにしても、不眠の原因である心の病気、身体的疾患、不適切な睡眠環境、心配事の治療や改善に取り組むことが大切です。
非薬物療法(生活習慣の改善)
- 温度、明るさなどにより睡眠しやすい環境にする
- 音楽や読書などリラックスできる時間を作る
- 睡眠時間の4時間前に食事、1~2時間前に入浴をする
- 朝日を浴びて正確な体内時計を保つ
薬物療法
不眠のタイプに合った睡眠導入剤を使用して治療します。
超短時間型・短時間型・中間型・長時間型など不眠のタイプによって睡眠導入剤が変わります。
副作用(眠気の持越し)が少なく、依存性が低い薬もあります。